学術交流

本センターでは、非文字資料にかかわる学術情報の交換を行うとともに、国際的な感覚を有する次世代の若手研究者の育成を目的とした研究者派遣・招聘事業を行うために、海外の研究機関との交流・提携事業を進めている。
さらに、本センターの研究事業を世界的水準のものにするため、国際シンポジウムの開催も企画する。

主な事業

  1. 情報の交換
    非文字資料研究に関する研究成果および研究動向など各種の情報を交換する。
  2. 資料の交換
    双方の印刷刊行物の交換および関連資料の提供を行う。
  3. 研究者の交流
    1. それぞれが主催する研究集会・シンポジウムなどへの研究者の招聘
    2. 若手研究者の招聘及び派遣、互いに受け入れた研究者の調査研究についての便宜供与
  4. 調査研究協力
    それぞれが実施する調査活動について、必要な場合は招聘状の発行など各種の便宜供与を行う。

提携機関

本プログラムでは、非文字資料にかかわる学術情報の交換と若手研究者の派遣・招聘を目的として、海外の研究機関との交流・提携事業を進めており、以下の各機関と提携関係を結んでいる。これらの提携機関との間に、訪問・派遣研究員制度を設け、提携機関の若手研究員を招いて共同研究を推進している。これによって、将来、国際的に活躍できるような研究者に育っていくための基礎が作られることを期待している。

漢陽大学校東アジア文化研究所

東アジア文化研究所は1974年3月1日漢陽大学校附設国学研究院として出発した。

1982年3月25日に韓国伝統科学研究所を吸収・統合しながら韓国学研究所と改称し,また,2009年9月23日に東アジア文化研究所と改称した。

東アジア文化研究所は東アジアの各国文化の比較及び交流に関する研究を通じて東アジアと韓国文化の発展に寄与することを目的としている。

東アジア文化研究所はこのような目的を達成するために次の事業を行っている。

  1. 東アジア文化と韓国文化に関する研究及び教育
  2. 学術誌『東アジア文化研究』,『東アジア文化研究叢書』,『東アジア文化資料叢書』などの刊行
  3. 各種学術会議,セミナー,講演会などの開催
  4. 国内外各学会,研究機関との交流協力
  5. その他東アジア文化,韓国文化研究に必要な事業

ハイデルベルク大学 COE「グローバルな文脈におけるアジアとヨーロッパ」

ハイデルベルク大学COE(The Cluster of Excellence)「グローバルな文脈におけるアジアとヨーロッパ:文化の流れにみる非対称性の変遷」は、ドイツ政府が国内に世界最高水準の教育研究拠点を形成することを目的に実施する「Exzellenzinitiative(エクセレンス・イニシアチブ)」プログラムに採択され、2007 年10 月に発足したもので、ドイツ版のグローバルCOE 拠点に相当するものである。

クラスターは4つの研究領域—統治と行政、公共領域、衛生と環境、歴史と文化遺産—に属する70 以上の研究プロジェクトにより構成されており、現在200 名の研究員がアジア・ヨーロッパ間における文化交流のプロセス—文化、社会、政治等関連諸分野における非対称性—に関する研究活動を行っている。

クラスターはインド学教授のアクセル・ミヒャエルス、中国学教授のルドルフ・ワグナー、並びに文化歴史学教授のマドレーヌ・ヘレンーオシュの3 名の監督の下運営されている。また、クラスターにはドイツ初となるグローバル美術史教授を始め、文化経済史、思想史、ビジュアル・メディア人類学並びに、仏教学の分野で5 名の専任教授が常任しており、学際的な研究環境の中、文化交流学の大学院プログラムの運営も行っている。

フランス国立高等研究院 東アジア文明研究センター

東アジア文明研究センターはフランス国立科学研究センター(CNRS)の中国、日本、チベット研究に特化した3つの研究を併合して2006年に設立された。

これらの3つ地理的領域が主な研究活動の焦点であるが、センターはより広い範囲での研究活動に開かれており、東アジア諸国の共通遺産を軸とした多国籍研究プログラムの拠点となっている。東アジア文明研究センターの研究活動は広範かつ多様な学問分野や最古代から現代までのすべての時代を網羅している。それらの卓越した領域は宗教学、歴史、芸術、文学そしてすべての文学と聖典の伝承です。それは古代資料(手稿、図像、考古学文献)の専門性として国際的に認知されている。

東アジア文明センターにはその3つの研究ユニットに21名の中国専門研究者、21名の日本専門研究者、6名のチベット専門研究者、そしてセンターの活動に適宜参加する約40名の研究協力者が所属している。

東アジア文明研究センターは、フランスの4つの重要な学術機関-フランス国立科学研究センター(CNRS)、フランス国立高等研究院 (EPHE,高等教育機関)、パリ第7大学 (Paris 7) 、コレージュ・ド・フランス-と提携している。

北京師範大学文学院 民俗学与文化人類学研究所

北京市にある総合大学である。多くの学部をもつなかで、特に中文系は中心的な存在であり、中国民俗学の開拓者鐘敬文教授や書家で日本でも有名な啓功教授など多くの優れた教授を擁し、活発に学術研究を展開してきた。なかでも鐘敬文教授が開拓した民間文学研究室は、中国の民俗学研究の拠点として活動し、多くの博士を生み出し、全国的に活躍している。鐘教授が2002年に亡くなって以降、民俗学研究はいくつかの専門組織に別れて活動を展開しているが、本センターが提携したのは、劉鉄梁教授を所長(現在:万建中教授)とする民俗学与文化人類学研究所である。民俗学を中心としたフィールドワークを行い、大きな成果をあげており、研究所メンバーの近年の成果としては『中国民俗文化誌』の北京編を地区毎に刊行している。

華東師範大学 中国非物質文化遺産研究中心

上海市にある総合大学であり、1951年上海市内のいくつかの大学が合併して創立された。多くの学部を擁しているが、そのなかで近年発展めざましいのが対外漢語学院である。中国語と中国文化を学ぼうとする世界各地の学生が集っている。そのなかに設置されている大学院は、中国文化の研究を進めており、中国各地から進学してくる。特に幅広く研究活動を行い、民俗学界に影響力のある陳勤建教授が所長を務める中国民俗保護開発センターは、多くの民俗学研究者を養成しており、優秀な博士論文を提出した若手研究者も少なくない。学院の性格もあり、研究センターは世界各地での学術活動、学術協力を進めているが、日本の研究者との交流も盛んに行われている。本センターが提携したのはこの研究所である。

浙江工商大学 日本文化研究所

1911年、杭州中等商業学堂として設立され、1980年には大学に昇格し浙江商学院となった。更に2004年浙江工商大学と改名し、経営経済を中心とする六学部の総合大学になった。同大学の中で、本センターと研究交流を行っているのは日本語言文化学院及び日本文化研究所である。もともと同研究所は浙江大学(旧杭州大学)に付置されていたが、工商大学が総合大学となったのを機に、研究所とほとんどのメンバーが移籍し、中国江南地域の日本研究の中心として現在に至っている。同研究所を支えているのは二人の王氏、唐代を中心とした日中交流史研究の第一人者王勇氏と、近世文献学の碩学王宝平氏の二人である。二人は八十年代の極めて厳しい研究環境の中、日本研究の専門家として、中国の研究をリードしてきたが、最近では自らの研究とともに、若手の育成にエネルギーを注いでいる。特に、自らの専門分野に限定せず、日本の古典文化から現代のポップカルチュアに及ぶ、ユニークな研究者が育ってきている。中国における今後の日本研究がどの方向に向かっていくのかを知る上でも、浙江工商大学と日本文化研究所から目が離せない。

中山大学 中国非物質文化遺産研究中心

広東省広州市にある歴史のある総合大学である。1924年に孫文によって創立された。広大な緑豊かなキャンパスのなかに校舎が点在する。中文系はそのなかでも重要な位置を占める学部であり、古い歴史を持つが、近年は中文系を基礎に設置された中国非物質文化遺産研究センターの活動が注目されている。これは日本の21世紀COEプログラムに相当する中国政府教育部人文社会科学重点研究基地であり、国からの補助金によって大規模な調査研究を展開している。研究活動の柱は、伝統戯曲の調査、口頭文芸と民俗の調査研究、それに非物質遺産保護対策の3つである。スタッフは戯曲研究の康保成、民俗研究の葉春生、非物質文化遺産対策の高小康などの教授を擁している。

ブリティッシュ・コロンビア大学 アジア学科

カナダ太平洋岸の中心都市バンクーバーにある総合大学である。1961年に設立されたアジア研究学部はカナダのみならず、北アメリカにおけるアジア研究をリードする存在である。また、この学部の研究を支えるアジア研究所は1978年に設立され、現在は日本研究センター、中国研究センター、韓国研究センターなど5つのセンターをもち、日本はもちろんのこと、アジア各地域の歴史、文学、社会、言語を専攻する研究者を擁している。特に日本については、日本古典文学と日本文化に関する研究者が揃っており、北米における日本文化研究の中心的存在となるべき条件が整えられている。また、アジア研究センターに付属して、新渡戸稲造を記念した新渡戸庭園があり、日本への親近性に満ちた雰囲気を作りだしている。

サンパウロ大学 日本文化研究所

サンパウロ大学日本文化研究所は、地上三階、地下一階の立派な独立した建物で、研究室、講義室、図書室、展示スペースを持ち、大学市として独立した自治体を形成するほど広大なサンパウロ大学の構内の一角にある。ちなみに、同大学には文化人類学の碩学レヴィストロースも席を置いたことがあり、人類文化の研究には長い伝統を持ち、立派な民俗博物館もある。研究所の建物は鬱蒼たる樹木に覆われ、研究所らしい雰囲気に満ちている。研究所は、鈴木悌一、前川隆らブラジルにおける日本学の草創期の研究者によって創立された。現在、スタッフは織田順子所長以下教授、助教授7名の所員と職員数名で構成され、サンパウロ州のみならずブラジルにおける日本文化研究のセンターとなっている。また、日本学科の大学院の講義もここで行われている。従来、日本語、日本文学の研究が中心であったが、近年文化人類学のスタッフを加え、日本文化全体に研究対象を広げつつある。

セインズベリー日本藝術研究所

セインズベリー日本藝術研究所は、ロバート・セインズベリー卿ご夫妻の寛大な資金援助のもとに日本の芸術・文化への知識と理解を推進する目的で1999年に設立されました。
本研究所の使命は、過去から現在にわたる日本の芸術・文化の分野において、世界の最先端をいく最高水準の研究を推進することにあります。
セインズベリー日本藝術研究所は、その使命を果たすために、研究協力機関および資金援助者との連携を通じて、以下の目標達成を目指します。
• 活発な国際研究協力ネットワークを構築する。
• 研究所の研究成果を発信する。
• アウトリーチおよび教育活動を推進する。
研究所はイースト・アングリア大学(UEA)、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)、大英博物館などの学術機関と密接な連携関係を維持しつつ、フェローシップ制度、講演会、国際ワークショップなどを実施するとともに、ホームページの充実、研究成果の出版に力を注いでいます。
ノリッチの研究所内にあるリサ・セインズベリー図書館は、研究活動を支える中核的役割を果たしています。本図書館の蔵書はきわめて重要な調査研究資料として、欧州全体における日本芸術及び文化に関する研究に資するべく研究者等に公開されています。(セインズベリー日本藝術研究所HPより)

漢陽大学校東アジア文化研究所
ハイデルベルク大学 COE「グローバルな文脈におけるアジアとヨーロッパ」
フランス国立高等研究院 東アジア文明研究センター
北京師範大学文学院 民俗学与文化人類学研究所
華東師範大学 中国非物質文化遺産研究中心
浙江工商大学 日本文化研究所
中山大学 中国非物質文化遺産研究中心
ブリティッシュ・コロンビア大学 アジア学科
サンパウロ大学 日本文化研究所
セインズベリー日本藝術研究所

招聘・派遣事業

派遣事業・若手研究者派遣2016

神奈川大学非文字資料研究センターでは、若手研究者育成のため、海外提携機関へ派遣する博士後期課程の院生を募集します。採用者には派遣に関わる交通費と宿泊費等が支給されます。
期間・条件等の詳細につきましては募集要項を参照願います。

2016年度 若手研究者派遣 募集要項